1期治療とは?
歯列矯正治療は、「1期治療」と「2期治療」の2つに分けることができます。
1期治療とは、子供の矯正(小児矯正)のことをいいます。
| 対 象 | 歯の生え代わり状態 | 主な治療装置 | 治療の内容 | |
|---|---|---|---|---|
| 1期治療 | 子供 | ・乳歯列期 ・混合歯列期* |
取り外し式
固定式![]() |
・顎(あご)の成長促進 ・抑制・歯列弓の拡大 ・癖の除去 |
| 2期治療 | 大人 | ・永久歯列期* | ブラケット
マウスピース![]() |
・歯の移動 (・顎の成長をコントロール) |
*混合歯列期とは、歯の生え代わり時期。乳歯と永久歯が混在する状態。
*永久歯列期とは、すべて永久歯の状態。
顎(あご)の成長促進・抑制
一見、出っ歯に見える。実は、下顎が劣成長な状態。
後退している下顎を子供の成長期を利用して、バイオネーターが
前に引き出すように顎の成長をコントロールする。
歯列弓の拡大
1つ1つの歯の大きさに対して、歯列弓の大きさが小さい場合、歯並びはデコボコになります。10人掛けの椅子に、11人は座れませんね。
子供の成長期を利用し、側方方向に歯列を広げることで、歯を抜かずに歯並びを整えることができたり、永久歯が真っ直ぐ生えてくるスペースを作ります。
この治療法に関する、よくある質問「子供の頃に、拡大する矯正(床矯正)を受ければ、歯を抜かなくても良いのですよね?」 「子供の頃に、拡大する矯正(床矯正)を受ければ、歯並びは治るのですよね?」 という質問を受けることがあります。
個人差がありますが、拡大するだけで歯並びが治るのは20%とも言われています。
拡大床で歯列を広げ、全ての歯が永久歯に生えそろうのを待ってから、マルチブラケットを使った矯正(2期治療)を行って、全体の歯並びやかみ合わせを治療するのが一般的です。マルチブラケットを使った矯正(2期治療)を念頭に入れた治療方針の立案を開始する前に行っておくことが大切です。
習癖の除去
歯並びを改善に導く成功要因の1つとして、歯並びを悪くしてしまった原因を除去することが大切です。
歯並びが悪くなった(悪くなる)原因として、口呼吸、舌の癖、指しゃぶり、頬杖などの生活習慣である場合があります。
矯正装置を使用することで、このような癖を除去することが可能です。
1期治療のメリット
1期治療は、2期治療に比べて治療のストレスが少ない
1期治療と2期治療の違い
| 装置の種類 | 痛み・違和感 | 歯磨き | |
|---|---|---|---|
| 1期治療 | 取り外し可能 *取り外しできない装置も一部有り。 |
軽 度 | 磨きやすい |
| 2期治療 | 取り外し不可能 *取り外しできる装置も一部有り |
慣れるまで 痛み・違和感がある |
1期治療より 複雑 |
1期治療は成長期の子供に適応されます。
2期治療が短くなる場合がある
例) 9歳のお子さんが矯正治療を検討した場合、下記のようにCase1とCase2の2通りの治療方針を選択することができます。
Case1 ・・・ 1期治療(子供の治療)を行った後に、2期治療を行う方針
Case2 ・・・ 歯がすべて永久歯に生え代わってから、2期治療(大人の治療)のみを行う方針
1期治療を受けることで、ストレスの多い2期治療の期間が短くなることがあります。
但し、すべての患者様に当てはまることではありませんので、お子さんの状態について詳しく知りたい方は、初診相談を受診ください。
「歯を抜かなくて済む」ようになる可能性を高める
先に生えている乳歯の位置に誘導され、後から出てくる永久歯は萌出します。 写真の状態は、 1番と2番の永久歯が先に萌出したものの、3番は出てくるスペース(場所)がありませんでした。 結果、歯が重なってしまったのです。
保隙(ほげき)を行う。
上記のような場合、これから生えてくる永久歯のスペースを1期治療で作り、正常な位置に永久歯が生えてくるようにします。 この結果、「抜歯をしなくて済む」成果を出すことができる場合があります。
但し、保隙を行っても抜歯をしなくてはいけない場合もあります。
治療後の安定性を得ることができる
矯正治療は、治療後に動いた歯を安定、定着させることが必要です。 1期治療を行うことで、治療後に歯並びが後戻りしてしまう因子を取り除きます。
生活習慣が原因で、歯並びが悪くなる場合があります。 例えば、口呼吸をしていると、口を閉じていない状態なので、上顎前突(出っ歯)になったりします。
*上顎前突=出っ歯の状態
矯正治療で前歯を引っ込めても、(出っ歯を改善しても、)原因である口呼吸が改善されていないと、 再び、出っ歯を誘発する原因を残したままになります。
また、出っ歯になるにつれて、口が閉じにくくなり、口呼吸になってしまったという場合もありますね。
口呼吸と上顎前突は、相互に関連しています。
口呼吸と上顎前突の“両方”を改善することで治療後の安定性を得ることができます。
オペ(手術)を回避する可能性が上がる
大人の受け口(反対咬合)治療の際、オペ(手術)が必要となる場合があります。 下顎(下のあご)を分割して、突き出ている顎(あご)を引っ込める方法です。
このようなオペ(手術)を回避することができるのも、1期治療の大きなメリットです。
被蓋関係を改善することがオペ(手術)の回避につながる
下顎骨のスパート前に反対咬合を改善しておくと、安定した被蓋関係により下顎骨の成長スパート時に下顎骨の過成長を抑制し、さらに上顎骨の成長促進をすることができます。
これは、正常な被蓋関係(前歯の前後関係)の子どもは成長期に顔が面長に変化する(下顎骨の前下方への成長による)にもかかわらず、反対咬合にならないことからも推察できます。
































