外科矯正(保険適用)
顎の骨格やかみ合わせのズレを矯正治療と外科手術を組み合わせて改善する「外科矯正」にも対応しています。
通常の矯正治療では改善が難しい骨格性の不正咬合に対して、外科的アプローチを加えることで、見た目の改善だけでなく、しっかりと咬める機能的な歯並びを実現します。
外科矯正が適用となる症状
以下のような症状にお悩みの方は、外科矯正が適用となる可能性があります。
- 受け口、下あごが前に出ている、反対咬合(下顎前突)
- 下顎がさがっていて上顎の前歯が前に出ている(下顎骨の後退)
- 奥歯で咬んだ時に前歯が咬み合わなくて開いている(開咬)
- 笑った時に歯茎がよく見える(ガミースマイル)
- 顔のゆがみ(左右非対称、偏位)
通常の矯正治療だけでは上顎や下顎の突出や偏位が残る場合や、骨格に起因する咬み合わせの異常に対しては、外科手術を併用することで根本的な改善が可能です。
外科矯正の治療の流れ
外科矯正は、矯正歯科と口腔外科の連携によって進めていきます。
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初診相談・精密検査 *当院
顎の骨格やかみ合わせの状態を診査し、外科矯正の適用かどうかを判断します。 -
術前矯正(約12か月) *当院
手術に適した状態に歯並びを整える矯正治療を行います。 -
外科手術(入院1〜2週間程度)
提携する東海大学医学部付属病院 歯科口腔外科にて顎の骨を移動する手術を受けていただきます。 -
術後矯正(約6〜12か月) *当院
正しいかみ合わせに仕上げるための最終調整を行います。
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保定期間(約2年) *当院
矯正治療後の歯並びを安定させるための保定装置を装着します。
提携病院
東海大学医学部付属病院 歯科口腔外科
当院では、外科手術を東海大学医学部付属病院 歯科口腔外科と連携して実施しています。 大学病院ならではの高度医療設備と、口腔外科の専門医チームによる手術体制で、安全かつ安心の治療をご提供しています。
- 顎変形症を含む顎骨手術を多数実施、豊富な症例実績
- 全身麻酔下での安全な手術環境と術後の入院管理体制
- 顎骨切り術(上下顎一括手術など)から、チタンプレート・顎間固定などの最新技術を活用
- 麻酔科などによるチーム医療体制
治療期間と費用
治療期間
動的治療:約2~3年、保定治療:約2年
費用
顎変形症など、医学的に必要と診断された場合は健康保険の適用が可能です。
※当院は顎口腔機能診断施設・自立支援医療指定機関です。
他の治療法との違い
項目 | 通常の矯正 | 外科矯正 |
---|---|---|
対象 | 歯の位置のズレ | 骨格そのもののズレ |
顎の移動 | なし | 手術で可能 |
フェイスライン変化 | 限定的 | 顕著な改善あり |
対応できる症例 | 軽〜中等度 | 重度の骨格性不正咬合 |
よくあるご質問
手術はどこで受けますか?
東海大学医学部付属病院 歯科口腔外科で行います。
入院期間は?
通常1〜2週間程度です。
手術が怖いのですが…
全身麻酔で行われ、術後のサポート体制も整えています。
社会人ですが、仕事への影響は?
術後は1〜2週間の休職が必要になることがあります。事前にご相談ください。
初診相談のご案内
外科矯正を検討されている方は、まずはお気軽に初診相談へお越しください。
- 医学的適応の有無を確認いたします
- 治療内容や期間、費用について丁寧にご説明いたします
症例
初診
手術前
術後
症例詳細
- 主訴
- 下顎が出ている、前歯でかみにくい
- 年齢
- 初診時年齢:29歳/女性
- 診断
- 下顎骨の過成長による骨格性反対咬合 前歯反対咬合
- 抜歯非抜歯
- 非抜歯
- 装置
- マルチブラケット装置、顎間ゴム、保定装置(リテーナー)
- 期間
- マルチブラケット装置装着期間:2年3か月(4~6週に1回来院)、
保定期間:24か月(6か月に1回来院)
- 費用
- 顎変形症のため矯正歯科治療と外科手術は健康保険適応
- リスク副作用
- 痛み、治療後の後戻り、歯根吸収、歯髄壊死、歯肉退縮、一時的な顎関節症状、外科手術による知覚鈍麻や麻痺